キャンドルナイトワンピースブログ

    2010年10月31日

    故郷の春

    韓国に来る前、広島で一冊の絵本を手に入れました。

    「やくそくのどんぐり」
    (著:大門高子 イラスト:松永禎郎 新日本出版社)


    ハプチョンと広島を舞台に実在した在韓被爆者の物語です。
    先月末に発売されたばかりです。(しかも発売日が僕の誕生日)

    治療のため広島を訪れた在韓被爆者の李順基(イスンギ)さんが
    平和公園の韓国人慰霊碑の所でドングリの実を拾い、広島の事を
    想い家の庭にどんぐりの実を植え、母と過ごした広島に想いを馳せる
    というお話です。

    【海峡越えた友情の樹 ヒロシマの悲劇、在韓被爆者の苦難、平和を願う連帯感】
    http://www.mainichi.co.jp/osaka/wakaru/theme/hibakusya/08m3.html

    主人公のイスンギさんは亡くなられたのですが、その後ドングリ
    の木は陜川原爆被害者福祉会館の敷地内に植え替えられ、その木
    の引き継いで世話をしているお爺さんがいる事を広島で聞いて
    いました。

    福祉会館で館長さんに今回の企画の話をしていた際に、そのどん
    ぐりのお爺さんの話をすると、そのお爺さんが誰なのかが分かり
    ました。

    この福祉会館には100人程の在韓被爆者の方々が住んでいらっ
    しゃり、入居待ちの方々があと130人程いらっしゃいます。
    つまり、足りていないのです。

    その福祉会館を、採火セレモニーの会場として使用させていただく
    事になり、館内をご案内いただいていると、どこからともなく
    アコーディオンの音が聞こえてきました。

    2階に上がり、交流スペースのような広間でおじさんのアコーディ
    オンに合わせて被爆者のおばあさん達が歌っていました。

    P1010418.JPG

    僕達が中に入ると、皆さん小さな柔らかい手で「こんにちは」とか
    「ありがとう」とか言って手を握ってくださいました。

    ちなみに福祉会館にいらっしゃるお爺さんやお婆さんは多くの方が
    日本語がとても堪能で、会話は日本語で十分通じました。

    そんな中、歌われていた曲はなんとも言えない温かい曲でした。

    その後、椅子に座って聴いていると隣に座っていた韓正淳(ハン
    ジョンスン)さんがお爺さんを紹介してくれました。
    (ハンさんはこの日仕事があったにもかかわらず、その予定を
    変更して私を一日ご案内いただきました。感謝)

    そのお爺さんがドングリの木の世話をしているという金島植
    (キムトシク)さんです。

    金さんに絵本をプレゼントすると、その絵本の事はご存じなかった
    ようでとても喜んでくださいました。
    そして、今回の企画の話をすると更に喜んでくれて

    「ハプチョンでの車も宿泊場所も全部俺に任せとけ。」

    といってくれて、世界遺産の海印寺(ヘイインサ)というお寺に
    泊まらせていただき、また車も手配し自ら運転までしてくれると
    いうのです。

    お気持ちが本当に嬉しかったです。

    金さんが以前取材された内容
    http://mainichi.jp/kansai/reportage2010/archive/news/2010/20100719ddn041040009000c.html

    金さんと色々と話をしながら、私は一人のお婆さんに会いたい旨
    を伝えました。フェリーの中で体験記(引き裂かれながら、私たち
    は書いた―在韓被爆者の手記)を読んでいたのですが、そのお婆
    さんの内容が印象深かったので、その方にぜひお会いしてお話を
    伺いたいと思ったのです。

    そしたら、そのお婆さんを呼んできてくださいました。
    腰の曲がった小さなお婆さんが杖をつきながらゆっくり来てくだ
    さいました。

    そのお婆さんが厳粉連(オムプンヨン)さんです。

    オムさんは、現在の韓国原爆被害者協会を創設された一人です。

    金お爺さんは、

    「今ここで暮らせるのもこのばあちゃんのお陰なんだよ。でも
    ここにいる人達はそんな事、誰もしらねぇんだよ。」

    と言うと。

    「いいんだって。皆が幸せならそれでいいんだよ。」

    とオムさんは柔らかな口調で応えられました。
    そして話を続けられました。

    「でも、本当に大変なのはここに入れない被爆者手帳をもらえて
    いない人達なの。手帳を発行してもらうためには当時広島にいた
    ことを証明してもらえる人が2人必要なんだけど、1歳や2歳の
    頃被爆した人なんてその時の記憶なんてあるわけがないし、証人を
    探せないんだよ。手帳をもらえない寝たきりの人達がこのあたりに
    たくさんいる。
    これはなんとかしなけりゃいけない。
    今、私は体調がよくないから動けないけれど、少しよくなったら
    彼らをなんとかするために動いてみようと思っているの。」

    この最後まで人の為に自分にできる事をやろうとしている82歳の
    腰の曲がった小さな被爆者のお婆さんの姿に私は感動してしまいました。

    私はぜひ、オムさんにお話いただきたいと思い、今回の企画を説明し
    当日お話いただけるようにお願いしました。

    オムさんは

    「わかりました」

    と快く承諾いただきました。
    P1010420.JPG



    その後テグでKYCの若いスタッフ達と交流を経てソウルへ向か
    いました。

    P1010433.JPG

    岡田さんと李大洙(イ・デス)さんがソウルの韓国女性環境ネット
    ワーク(KWEN)というキャンドルナイトを韓国で実施されている
    グループとの会合をセッティングしていただき、更にご同行までして
    いただいたのです。感謝。

    KYC
    http://www.kyc.or.kr/

    韓国女性環境ネットワーク(KWEN)
    http://www.ecofem.or.kr/

    イ・デスさんは夏に台湾のある会議でキャンドルナイトワンピース
    の事を知ってくださり、岡田さんを通して連絡をいただいた牧師さん
    です。

    お会いすると笑顔の素敵な物腰の柔らかい素敵な方でした。
    とても話をしやすい雰囲気をお持ちの方で、私とイ・デスさんの会話
    の言語は英語で、私は流暢に話す事ができないのですが、イ・デスさんと
    は不思議と会話が色々できました。

    イ・デスさんは昨年ワンコリアフェスティバルのステージでスピーチを
    され、また焼却場反対運動にリーダーとして携わり,全国をまわって
    活動しておられたので「ゴミ牧師」というニックネームで親しまれてい
    るようです。ワンコリアフェスティバルでは環境対策のセクションを担当
    していた私と色んな話ができました。

    KWENの方は以前釜山で原爆の火でキャンドルナイトを実施した日韓
    クルーズに乗船されていた方もおられ、今回の話を前向きに検討いただ
    ける事になりました。今年はソウルで10箇所程小規模でキャンドル
    ナイトを開催される予定との事なので、そこでこの火が使われるといいなと
    思いました。
    P1010446.JPG

    P1010447.JPG

    Peace&Green Boat 2008
    http://www.1pi-ce.jp/files/PeaceGreen/HoukokuP&G.pdf

    韓国最終日は水原(スウォン)でイ・デスさんの主催する日韓の議員さん
    や市民グループの方々が政治や市民活動について意見交換する会議に参加
    させていただき、今回の企画を紹介させていただきました。

    会議終了後、懇親会が行われ、韓国側の女性4人が即席ユニットを作って
    日本から来た方々への歓迎の意味を込めて歌を歌ってくれました。

    P1010449.JPG


    その時の曲が福祉会館で聞いたあのなんとも言えない優しい曲だったのです。

    私は、韓国で2回聞いたこの曲を日本に帰ってからも、時々鼻歌で歌って
    しまいます。

    今年、キャンドルナイトをされる人にこの曲を紹介しようと思います。

    朝鮮半島から広島に渡って来られた方々が約3万人、原爆で亡くなられた
    と聞いています。原爆の火に宿るこれらの魂にこの曲を聞かせてくれたら
    嬉しいです。



    【コヒャンエポム 〜故郷の春〜】

    http://www.youtube.com/watch?v=xRE39MmrDtI


    私が住んでいた故郷は花咲く山里

    桃の花 あんずの花 赤ちゃんつつじ

    色とりどりに花の宮殿 整った町

    その中で遊んでいたときが懐かしいです

    花の町 新しい町 私の昔の故郷

    青い草南から風が吹けば

    川のほとりの柳 踊り踊る町

    その中で遊んでいたときが懐かしいです


    ****    ****    ****    ****


    KYCの皆様、原爆2世患友会のハンさんとジンさん、麓さん、
    イ・デスさん、私が韓国に滞在した全ての日をお付き合いただ
    いた岡田さん、そして韓国で出会った全ての人に感謝。

    ────────────────────────────
     編集後記
    ────────────────────────────
    今回の韓国行きでこの企画が具体的に実現できる事になりました。
    ここからが本番です。
    できる限りの事を心を込めて取り組んでいきたいと思っています。

    さて、みなさん、一緒にハプチョンのおじいさんとおばあさんの
    為に取り組んでみませんか?

    ほんの少しの参画でも結構です。
    気軽にお声をかけてください。

    ワンコリアフェスティバルのフィナーレで原爆の火がステージで
    灯されました。
    http://www.youtube.com/watch?v=VhJwrdvIWJ0

    ハプチョンに行く高校生はるかちゃんがチラシを作ってくれました。
    http://onepi-ce.seesaa.net/article/166636260.html

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    posted by キャンドルナイトワンピース実行委員会 at 22:00| Comment(0) | 奮闘記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2010年10月21日

    韓国語版チラシできました。

    まずは日本語最新版↓↓
    ハプチョンへGO.pdf

    なんかカッコいい韓国語版↓↓
    ハプチョンへGO韓国語ver.doc

    気軽に日本語verを読んでみてから、
    そのあと韓国語verに挑戦してみるのはどうでしょうか?


    Haruka
    posted by キャンドルナイトワンピース実行委員会 at 19:10| Comment(0) | 奮闘記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    火の灯っていない平和の搭

    これからソウルタワーの電気を消し、タワーの麓でキャンド
    ナイトを実施している韓国女性環境ネットワークの方とお会い
    するため、ソウルに来ており、ソウル駅のカフェから原稿を
    書いています。韓国での様子を少しご報告させていただきます。

    ****    ****    ****    ****

    釜山に着き、今回韓国に行くきっかけをいただいた岡田さんが
    フェリー乗り場に私の作ったチラシを手に持って迎えに来て
    くれていました。

    そこでまた一つの驚きがあったのですが、岡田さんは2年前、
    私が日韓クルーズ前に勉強のため、韓国に行き、日本大使館前
    で毎週水曜に慰安婦問題のデモを見学をした際、その方々に
    ご飯に誘われ、そのままナヌムの家まで連れて行っていただ
    いた事があったのですが、その際、隣でご飯を食べていたおじ
    さんだったのです。

    2年ぶりの驚きの再会の後、その日はテグまで送っていただき、
    20代〜30代を中心としたメンバーで人権問題等を取り組んでいる
    KYCのドンヨルさんと韓国原爆2世患友会の事務局長の
    ジンさんをご紹介いただきました。
    ドンヨルさんは2年前の日韓クルーズに乗船されていた方で、
    その時少しご挨拶をさせていただいたのですが、2年ぶりの再会
    でした。ジンさんは話をしていくと、私が韓国原爆被害者協会
    に電話した時に、日本語が通じず、何も伝えられないまま電話
    した時、その電話を受け取った方だったのです。

    ちょっとしたそうしたきっかけが、私たちの間をすごく近くして
    くれてお二人とも今回の企画に心から賛同し協力いただける旨を
    いただき、その日は歓迎のもてなしをいただきました。

    翌日、ジンさんと韓国原爆2世患友会の会長のハンさんと岡田さん、
    ハプチョン在住の日本人の麓さんがご同行いただき、ハプチョンまで
    朝から連れて行っていただきました。
    車の窓から眺めるハプチョンはどこにでもある山村でした。
    まず韓国原爆被害者協会に朝から連れて行ってくださいました。

    そこで、今まで日本でお会いした方々が口を揃えて、「ハプチョンに
    行けば会いなさい」といわれていた前支部長のシム・ジンテさんに
    お会いすることができました。

    シムさんは凛とした感じで笑顔がとても素敵な方で、今回の話を
    静かに聞いて頂き、私も説明していきました。その際

    「以前広島の火を灯そうとした組織があり、火を運ぶ事でつまずき、
    実現しなかった。その時灯す予定だった記念碑だけ福祉会館の前に
    あるが、それは輸送は大丈夫か?」

    と言われました。

    「今、フェリー会社を通して、輸送については申請を行っており、
    おそらく大丈夫だと思う。
    もし了解してもらえ、今回キャンドルナイトが実現したら、この火
    で人々の心がどう動くか見ていただきたい。
    そしてもしよかったら、この火をその記念碑に灯し続ける事を検討
    して欲しい。
    日本では8月6日に灯篭流しという原爆被害者を偲ぶ風習があります。
    その灯篭流しで使われているこの火を使って同じようにここハプチョ
    ンでも開催してみてはどうかと思っています。
    そういう視点で今回の企画への協力を検討いただけないでしょうか?」

    と伝えると

    「ありがとう」

    と言って今回の企画を陜川原爆被害者福祉会館で開催させていただき、
    そして様々な手配などご協力いただけることになりました。
    P1010404.JPG


    その後、お昼ごはんでジャージャー麺をみんなで食べている時、
    通訳をしてくれていた麓さんが私が日韓クルーズでお会いした
    ハプチョン在住のご夫婦とお知り合いという事が分かり、早速
    連絡を取っていただきました。

    その方は、船の上で、原爆の火のキャンドルナイトの賛同者を
    呼びかけた時私の側に来て、熱く手を握ってくれた方です。

    すると奥様のシュさんと連絡がとれ、そこから直ぐ近くにある
    ハプチョンの役場に行きここでも嬉しい2年ぶりの再会をする事
    ができました。

    船でお会いした時は、やさしいご夫婦という感じだったのですが、
    私は知らなかったのですが、シュさんは課長クラスで、役場に着く
    と一番奥の席から凛とした姿で表れました。
    でも再会を喜び合い、お話を重ねていくうちに、その時感じたやさ
    しさを感じ、今回の企画についても本当に喜んでくださり
    「何か協力できる事があると思う」とおっしゃっていただきました。

    P1010410.JPG

    役所での嬉しい再会の後、福祉会館に行きました。

    福祉会館ではまず、シムさんのおっしゃっていた記念碑に出会い
    ました。

    「平和火」と刻まれた存在感のあるモニュメントが火が灯されない
    まま立っていました。

    P1010412.JPG

    火を灯そうと思った後、様々な不思議なご縁をいただきながら、
    火の灯っていないこの搭の前に立っときに、なにか私の浅はかな考え
    を超えた、大きな流れを感じざるを得ませんでした。

    ハプチョンという大地に自分を立たせてみたいと思って、ついに山に囲
    まれたこの地の土を踏んだ時、私が感じたのは感動と感謝と確信でした。
    posted by キャンドルナイトワンピース実行委員会 at 01:14| Comment(0) | 奮闘記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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